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市民目線の政治に変わるチャンスを逃した悲しきわが故郷

10連休(個人的には実質6連休)で久々に帰省中。つくづく思うのは、この故郷における先日の市長選の結果は極めて残念だったということ。この街はこれからどうなってしまうのだろう。長きにわたる現職のビジョンなき舵取りにより、様々な面で市勢は衰退してしまったが、残念なことにまたもや現職が当選してしまった。投票理由のトップはなんと「人柄」だという。いろんな意味で、唖然とさせられる。

わが故郷は、かつてはそれなりに観光都市として知られていたが、住みよさランキングは急落して今や人口転出日本一、市民一人当たりの借金も日本一という悲惨な状況であるにも関わらず、身の丈に合わない規模の新市庁舎と、不必要なMICE施設の整備を強引に進めようとしているどうしようもない愚かな自治体である。

新市庁舎については「国の補助金もあるから市民の負担は少ない」などと市長は言うのだが、それが身の丈に合わないことだという自覚がないのが本当に恐ろしい。「国の補助金」って、それは降って沸いたものでもなんでもなく、国民の税金なんですけれど、市長さん、分かってるんですか…?

自力である程度稼いでいる自治体が、どうしても足りない分を補ってもらう、というのならいざ知らず、普段から交付金に頼りっぱなしで知恵も出さず人がどんどん逃げ出して貧乏のどん底にいるような自治体が、分不相応な贅沢をするために国民の税金をおねだりする、というようなことがよく平然とできるものだと思う。

最近の(まともな自治体の)行政はむしろ、さまざまな手続きのオンライン化を進め、市民がわざわざ役所に足を運ばなくても良いようにするというのが流れだろうに、それに逆行する形で市庁舎を大規模拡張しようというのも、一体いつの時代の政治をやっているんだか、実に頓珍漢な話である。

市勢を目に見えて衰退させ、市民をさらなる借金漬けにしようとしている市長の「人柄」が評価されたということが不思議でならない。広報紙やケーブルテレビの番組を見るにつけ、過度な「出たがり市長」であるとしか思えないのだが…。人柄が良い悪いというより、「馴染みがある、ない」で判断されたのではないか。

この市長の妻は店を経営しているが、私はかつて、そこの店員から「これは市長の妻の店なのだ」という旨を(聞いてないのにわざわざ)アピールされ、大変驚かされたこともある。

投票理由、人柄の次は「実績」とあるが、これも一体何なのだろう。「どんどん進む衰退ぶりを市民に悟らせずに長く市長を続けてきた」手腕(=ズルさ)が評価されたということだろうか。

今回は今までの選挙と全く異なり、素晴らしい選択肢があったのだが…。この非常に短い期間では、そもそも市政に関心のない市民に、現市政の驚くべき問題点の数々と、それを改善するという新人候補の政策・主張を浸透させるのは難しかったようだ。MICE施設整備などに反対する現職批判候補がいきなり複数立ったことも、注目を分散させる結果になったのかもしれない。それにしても、本当にもったいないと思う。

めったに訪れないであろう、まともな市政に変われるチャンスを逃してしまったわが故郷。

豪華な新市庁舎にまばらな人影。笑うは建設業者と、そのお友達の田舎政治家ばかりなり…。

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